看護部トピックスこのページを印刷する - 看護部トピックス

茶々っとニュース

在宅訪問のストーマケアで快適な日常生活を!

 当院で、人工肛門を造設される方は年間30名程いらっしゃいます。年齢層は20代から90代と広く、一時的と永久的な造設となる方がいらっしゃいます。一時的な方が人工肛門と一緒に生活する期間は数カ月程度です。この人工肛門との生活には、ストーマ装具(袋)を腹部に装着して、便を袋で受け止めて、時々トイレで排出させることになります。また、ストーマ装具を定期的に交換し、ストーマ周囲の皮膚を健康に保つことが重要となります。これらのことをストーマケアと言います。このストーマケアを適切に行えると、ストーマとの生活は特に制限されません。一方で、年齢を重ねることで体型や腹部の変化が起き、ストーマ周囲にシワやくぼみが生じ、漏れや皮膚トラブルの原因にもなり、精神的、社会的、経済的な負担になることもあります。

 先日、当院で人工肛門造設手術を受けられ、自宅退院後の訪問看護でストーマケアを受けられている方がいらっしゃいました。今回、訪問看護師さんから「人工肛門周囲の皮膚が赤くただれている」との連絡を受け、同行訪問しました。ご自宅でストーマ周囲の観察をさせていただいたところ、腹部のシワやくぼみが原因で皮膚が赤くただれ、痛みも伴っていたのです。そのため、ストーマ周囲のシワやくぼみがある箇所に、これを補整できる『用手成形皮膚保護材』を使用することにしました。この保護材を活用することで、安定した平面を腹部に形成し、ストーマ装具を密着させることが可能となりました。そして、この使用方法を患者様、訪問看護師さんへ説明し、ケアを継続していただきました。結果、1週間後には皮膚はきれいに改善し、皮膚トラブルの悩みは解消されました。これは、患者様と訪問看護師の方が早期に対処、相談していただいたことと、アドバイスしたストーマケアを継続してくださったお陰だと感じています。

 今回、退院後訪問として初めて在宅でのストーマケア活動を行いました。自宅でも病院での専門的ケアを同じように提供し、人工肛門との生活が負担にならず、快適な日常生活につながるよう支援をしたいと考えています。これからも気軽にご相談いただければ、同行訪問を行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  
文責:皮膚・排泄ケア認定看護師 南川 栄子
茶々っとニュース

茶々っとニュースバックナンバー