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6月10日 トピックス研修のご報告

抗がん剤曝露対策:抗がん剤点滴投与管理(輸液セット取り扱い)

 抗がん剤は患者に適切に使用することで高い効果が得られる半面、取り扱う医療者の健康にも影響を及ぼす薬剤です。曝露防止対策に関するガイドライン(2009年第2版)の中で注目すべき点として静脈内投与時の輸液ルートにCSTD(閉鎖式接続器具)を使用することで環境汚染が低減されるため、使用する事を強く推奨される事が提言されたことです。

 今まではコスト負担が大きいこともあり個人防護具(PPE)を適切に使用することで曝露対策を行ってきました。しかし新型コロナ感染症の世界的流行によりPPEの物品が入手困難になった時期があり、昨年12月から外来化学療法室では全抗がん剤使用に関してCSTDを導入することに踏み切りました。今年度は病棟での抗がん剤使用にもCSTDの導入を検討しており、曝露防止対策の勉強会を開催しました。

 正しく活用することで曝露防止を低減できることを理解し、自分の部署で治療に応じた活用方法を知る事ができるように実技を取り入れた学習としました。

 セミナーには50名の方に参加していただき、新たな点滴チューブで見たことも触れたこともない人が大半でした。自分で触って実施しないとわからないこともあり、何人かは自分で操作してみようと自主的に実技を体験された方もいました。限られた時間内であったため全員が体験することはできませんでしたが、今後は関連病棟での勉強会を計画的に組み入れ、CSTDを導入した投与管理が通常運用できるようにしていきたいと思っています。環境汚染、人への健康障害を軽減するように目指していく予定です。
 
文責 がん化学療法看護認定看護師 井手 千佳子
トピックス研修