令和6年度病院情報このページを印刷する - 令和6年度病院情報

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 853 211 159 226 374 576 1451 2734 1751 559
令和6年度の入院患者年齢分布を示します。10歳以下が約10%、60~69歳が約16%、70~79歳が約31%、80~89歳が約20%で60歳以上の入院が約73%を占めています。10歳以下の小児を除くと60歳以上が約8割を占めていて、地域の高齢化率の上昇を反映しています。この様な傾向は今後も続いていくものと考えられます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

総合診療科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 37 14.46 16.40 16.22 85.51  
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 31 18.81 13.66 22.58 82.68  
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 26 17.04 20.78 26.92 82.35  
050130xx9900x0 心不全 21 19.05 17.33 28.57 85.38  
100370xx99x0xx アミロイドーシス 15 4.60 11.13 0.00 26.00  
総合診療科では一般外来や他院からの紹介例も多く、肺炎や尿路感染症といった入院加療が必要な感染症や高齢者で問題となる誤嚥性肺炎等、幅広く診療を行っています。また原因不明な発熱や敗血症についても外来から入院診療、他科との連携を取りながら診療を行っています。全体の傾向として高齢者が多く、疾患や入院経過に伴うADL低下が認められる場合は周辺医療機関との連携・転院も考慮し、退院後の生活へのバックアップが途切れないよう支援を行うことを心掛けています。
 

呼吸器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 119 3.46 3.03 0.84 73.18  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 58 18.97 13.41 1.72 73.00  
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 47 11.02 13.08 0.00 67.62  
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 40 15.40 16.40 12.5 83.68  
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 37 10.89 8.16 0.00 66.00  
当科で最も多いのは肺悪性腫瘍の検査入院だが、主として気管支鏡による検査を行っており、全国の平均在院日数と比較して約半日長くなっている。
 

消化器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 203 2.55 2.57 0.00 68.15  
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 140 10.69 8.88 5.71 79.42  
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 41 8.85 7.45 4.88 75.76  
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 31 11.77 9.45 6.45 77.71  
060050xx03xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 30 13.07 10.22 3.33 75.40  
消化器内科で最も多い診断群分類は大腸ポリープです。内視鏡でポリープのある粘膜の下に液を注入し、スネア(輪状になった電気メス)を用いてポリープを切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)や、通電処置を伴わないコールドポリペクトミーを行います。
次に多いのが総胆管結石、胆管炎、胆嚢炎などの胆道疾患です。内視鏡を用いて胆道の出口を切開し、結石を除去する治療や、胆道にチューブを留置し、胆汁の流れをよくする治療を行っています。経皮的にチューブを留置し減圧を行う場合もあります。
3番目に多いのが胃がんです。高周波ナイフでがんの周りの粘膜を切開したのち、更に粘膜下層(粘膜の下の層)を剥離して切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。
その他、肝細胞がん、肝内胆管がん、転移性肝腫瘍など肝臓にできる切除不能癌に対して、薬物療法を行っています。カテーテルを用いて腫瘍へ薬剤を注入後、血管を塞栓する経カテーテル肝動脈化学塞栓療法、あるいはラジオ波焼灼療法を行っています。
 

循環器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 130 5.30 4.18 0.00 72.82  
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 117 2.97 3.07 0.85 69.37  
050210xx97000x 徐脈性不整脈 82 10.13 9.59 4.88 81.07  
050130xx9900x0 心不全 76 18.37 17.33 13.16 85.21  
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 74 2.93 3.27 0.00 70.96  
循環器疾患治療の多くは、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患です。 心臓の表面にある冠動脈が動脈硬化で狭小化したり、血栓で閉塞したりすることが原因であり、冠動脈CTや冠動脈造影検査にて診断を行います。
狭心症などの安定した虚血性心疾患の入院期間は、検査入院では3日、カテーテル治療入院では4日です。
急性心筋梗塞などの場合、急性期治療とその後の栄養指導・服薬指導・心臓リハビリテーションを行うため、1~2週間ほどの入院期間となります。
徐脈性不整脈でのペースメーカー植え込み術、交換術での入院期間は、通常のペースメーカーであれば7日、リードレスペースメーカーであれば3日としています。
心不全に関しては、栄養指導・服薬指導・心臓リハビリテーションなどを行うため、入院期間は平均で約2週間ほどとなっています。
 

リウマチ内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 39 12.62 13.77 2.56 67.59  
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 13 14.38 13.07 23.08 64.85  
070470xx99x0xx 関節リウマチ 11 28.73 15.00 9.09 70.27  
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 12.60  
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 14.93  
糖尿病・内分泌内科では、地域の医療機関との連携を図り糖尿病における血糖コントロールや合併症の予防において佐賀県南部医療圏の糖尿病診療の中核機関として力を入れています。佐賀県糖尿病対策としての「ストップ糖尿病」対策事業においてもその役割を担っており、糖尿病性ケトアシドーシスや重症低血糖症などの緊急かつ重篤な急性合併症にも対応しています。
リウマチ内科では、関節リウマチを中心に各種膠原病の診療を行っています。生物学的製剤や分子標的薬の導入、新規薬剤の治験にも積極的に参加するよう心がけています。リウマチ・膠原病は心臓や肺、腎臓など様々な臓器合併症を併発してくる可能性があり、当該臓器の専門内科と連携しつつ精査・治療を進めています。
 

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 130 4.92 6.22 0.00 1.34  
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 85 1.07 2.10 0.00 3.29  
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 84 5.24 5.61 0.00 5.04  
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 70 4.86 6.98 1.43 2.80  
040100xxxxx00x 喘息 51 5.37 6.38 0.00 3.31  
当院は佐賀県の小児救急拠点病院・地域周産期医療施設に指定されており、小児の一般的な疾患(喘息、急性気管支炎・肺炎・上気道炎、急性腸炎)の救急受診・外来・入院での診療を行っており、5階西病棟で、それらの疾患の入院医療を小児科チームとして行っている。また小児アレルギー、小児循環器、小児内分泌、小児神経を診療する小児科医が在籍しており、それぞれの疾患に対して専門的対応を行っている。新生児治療室において、35週以上の早期産児、低出生体重児の治療を行っている。
 

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 69 6.93 4.54 0.00 71.71  
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 36 7.00 5.99 0.00 66.39  
060335xx0200xx 胆嚢炎等 23 7.83 7.05 4.35 67.09  
               
               
当院は高齢の患者さんが多いこともあり、鼠径ヘルニアの患者さんが比較的多く受診されます。2013年より腹腔鏡での手術を標準術式として導入しており、疼痛が軽度であるため術後3日程度で退院されています。胆嚢炎・胆嚢ポリープの手術は急患症例も含めて腹腔鏡での手術を基本としています。悪性腫瘍に対する治療に関しては、進行直腸癌および高度進行胃癌に対して症例に応じて術前化学療法を併用しての根治的手術を行っています。日本内視鏡外科学会技術認定医(胃癌)の1名のもと、胃癌は早期~漿膜浸潤のない症例を、大腸癌は巨大腫瘍を除いた殆どの症例を腹腔鏡手術の適応としています。術前治療による微小転移の制御および腹腔鏡による低侵襲手術を行うことで、癌の再発抑制および患者さんの早期の回復を目指した治療を心掛けています。
 

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 120 25.90 25.29 76.67 84.02  
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 72 22.32 19.16 62.50 82.53  
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 46 30.78 21.38 10.87 75.74  
160760xx01xxxx 前腕の骨折 28 15.82 5.95 14.29 73.79  
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 26 24.69 36.42 84.62 82.69  
現在整形外科医は長崎大学と佐賀大学のスタッフでお互い協力しながら、チーム医療を重点に安全で安心な充実した医療体制を築くことを目標としている。
特に、麻酔科と連携した外傷に対する早期手術は疼痛管理の面で優れ患者様に有益な医療が可能となっている。
また救急センターの整備により、整形外科領域の救急医療の充実を図り地域貢献を行うことを推進している。
慢性疾患に目を向けると人工関節術の安定した成績と、患者様に満足していただける結果の出せる治療を目指している。
特に当院の特徴である関節リウマチの症例に対しては、近年生物学的製剤の進歩で周術期の管理が緻密になっているが、
西九州地区の中核病院として責任が果たせるように努力している。
我々は、各々が自己研鑽を積みながら、医療の質を保ち、患者に対しやさしく愛情を持って治療を行いたいと思っている。
 

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 32 11.75 7.99 37.5 72.06  
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 23 13.13 9.83 13.04 80.57  
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 21 28.52 22.21 57.14 83.29  
010070xx9902xx 脳血管障害 20 3.15 5.53 0.00 72.7  
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 17 21.24 18.68 47.06 70.82  
脳神経外科では、頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍といったさまざまな脳神経疾患を診療している。その多くが、一刻を争う緊急の対応や高度な診断・治療技術を要求されるものである。今年度の当院脳神経外科では頭蓋・頭蓋内損傷(手術なし)が一番多く入院している。
 

呼吸器・乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 48 8.08 3.64 0.00 65.23  
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 43 16.02 9.77 0.00 68.19  
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 32 15.75 9.82 3.12 70.56  
040200xx01x00x 気胸 9.59  
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 11.12  
呼吸器・乳腺外科領域では、主に乳癌、肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸、縦隔腫瘍、および胸壁腫瘍に対する手術を行っています。内視鏡を併用した手術が全体の90%以上で採用され、可能な限り低侵襲な手術を目指しています。実際には手術中の不慮の出血の回避とその対応のため、6~8cmの小さな創を最初から作成し、2cmの内視鏡用の創との計2か所からの操作で安全性も確保しています。
原発性肺癌の手術は肺葉切除を行うのが基本ですが、当院では高齢者比率が高いため肺葉切除ができない患者さんには肺部分切除を行うことも多い状況です。
肺癌は手術前に縦隔リンパ節転移や胸壁に浸潤して局所進行癌の状況のこともありますが、呼吸器内科と連携して術前に放射線化学療法を行って肺葉切除を行うこともあります。
その他には、気胸に対する緊急対応からの手術から、心臓血管外科と連携した大血管切除/置換を伴った縦隔腫瘍の手術まで、多彩な手術を行っています。
肺葉切除後は7~10日での自宅退院が多く、手術後1か月以内の再入院はありません。
 

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 38 2.03 2.66 0.00 69.34  
050163xx9910xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 25 5.72 4.39 0.00 76.64  
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 21 15.10 10.18 9.52 80.90  
050080xx0100xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 12 25.67 17.03 0.00 68.67  
050163xx9900xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 12 4.92 7.58 8.33 80.17  
当科では、佐賀県西部のみならず長崎県北部を含めた西九州地区の循環器病治療の拠点として、24時間対応で診療を行っています。

当科における診療体制の特徴は、虚血性心疾患、弁膜症、大動脈瘤などの心臓疾患に加えて、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤、慢性腎不全患者の内シャント作成術など多岐にわたる血管疾患を対象としている点、さらに、主治医制ではなくスタッフ全員で治療にあたるチーム医療制をとっている点が挙げられます。

冠動脈バイパス術は、心拍動下冠動脈バイパス術を基本術式としており、高齢者に代表されるハイリスク症例に対しても良好な成績を挙げています。弁膜症に関しては、人工弁による弁置換術や、僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術を積極的におこなっております。可能な限り心房細動に対する不整脈手術や左心耳閉鎖術を併施して、心機能の改善やQOLの向上を目指しています。大動脈疾患に関しては、全身状態の許す限り積極的な手術を行っていますが、ハイリスク症例に対してはステントグラフト内挿術を選択できるように、当院でも平成21年度より施設認定を取得しております。突然死の原因となる急性大動脈解離や大動脈瘤破裂例も多く、救命を目指して基本的には緊急手術で対応しております。下肢静脈瘤に対しては、侵襲の少ないレーザー治療や、グルー(接着剤)治療も導入しています。
 

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 34 6.85 4.07 0.00 68.68  
120010xx99x30x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 28 5.50 4.12 3.57 61.00  
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 25 5.92 5.97 0.00 49.64  
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 23 9.70 9.20 0.00 44.91  
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 20 9.60 9.40 0.00 34.05  
産科一般と、婦人科では良性疾患を多く扱っている。産科は基本35週以降の分娩となる症例を扱っている。母体適応や胎児適応等で35週未満で分娩となりそうな症例は、基本的に搬送させて頂いている。婦人科良性疾患は腹腔鏡下もしくは腹腔鏡補助下手術を中心に、症例に応じて開腹手術も選択している。
 

眼 科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 90 4.76 4.29 0.00 77.11  
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 64 3.05 2.49 0.00 71.66  
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 10 6.00 5.47 0.00 65.80  
020250xx97xxxx 結膜の障害 2.81  
020160xx97xxx0 網膜剥離 7.53  
白内障は一般に加齢によりすべてのひとが罹患する可能性のある病気です。日本では年間140万人くらいの患者さんが手術を受けています。現在は手術の技術も進歩し、侵襲の少ない手術が短時間で施行可能です。
網膜剥離は、人口約一万人に一人程度の割合で発症する可能性があり、治療が遅れると失明に至る重篤な眼科疾患で、治療には可及的に早急の手術を行います。
最近患者数が増加してきている加齢黄斑変性は、日本では失明原因第4位の疾患で、今のところ根本的な治療法はありませんが、早期の外来治療(主に眼球への注射による治療)によりある程度の視力の維持も可能です。
加齢黄斑変性以外の黄斑疾患のうち黄斑円孔や黄斑上膜などは、手術治療による根治が可能な代表的な疾患です。そのため積極的に手術加療を行っています。
緑内障は日本での失明原因が第1位の疾患です。初期には点眼を中心に眼圧を降下させる治療が行われていますが、薬物による眼圧のコントロール不良例については手術治療が行われます。
 

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 13 6.85 6.68 0.00 63.15  
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 13 6.31 5.84 0.00 57.08  
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 12 7.25 7.35 0.00 26.00  
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 11 1.09 3.11 0.00 6.55  
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 6.31  
主に「耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍」の手術を行っていますが、真珠腫性中耳炎、甲状腺、副甲状腺腫瘍の手術等も行っています。
 

神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
010060xx99x40x 脳梗塞 57 19.53 16.89 52.63 77.68  
010060xx99x20x 脳梗塞 15 15.27 16.94 20.00 72.00  
010060xx99x41x 脳梗塞 13 37.92 29.66 92.31 84.46  
010230xx99x00x てんかん 13 12.38 6.89 23.08 55.85  
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 10 14.90 12.28 0.00 68.2  
神経内科では、急性疾患として主に虚血性脳血管障害(脳梗塞および一過性脳虚血発作)とてんかんの治療を行っている。 脳梗塞に対してはt-PA治療(血栓を溶解する薬を点滴投与する)を行っており、血管内治療については県内の医療施設に紹介する形で連携している。また、てんかんにおいては画像検査及び脳波検査を行って診断し、抗けいれん薬を用いて治療を行っている。慢性疾患としてはパーキンソン病などの変性疾患や認知症を対象としており、各種検査を行って診断をつけながら治療方針を検討している。当科ではチーム医療体制のもとグループ回診を毎日実施し、早期リハビリテーションを通じて、早期退院やリハビリテーション病院への早期転院を図っている。他分野の疾患とは異なり、治りにくい・わかりづらい病気が多い一方で、少しでも患者様に希望を与えられる様、日々努めている。
 

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 34 3.26 3.77 0.00 67.18  
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 32 9.19 9.33 3.12 66.69  
080010xxxx0xxx 膿皮症 27 11.15 12.98 3.70 68.81  
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 10 30.00 47.54 20.00 72.6  
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 6.92  
蜂窩織炎や帯状疱疹などの皮膚感染症、湿疹や水疱症、難治性皮膚潰瘍や皮膚腫瘍などの入院加療を行っています。
 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 70 3.11 2.45 0.00 70.54  
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 57 10.14 6.81 0.00 72.81  
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 17 8.71 7.30 0.00 67.47  
110060xx99x20x 腎盂・尿管の悪性腫瘍 16 12.50 8.72 0.00 69.94  
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 14 7.14 5.16 0.00 63.29  
2024年度ダビンチが当院にも導入され、まずは前立腺手術より開始、徐々に適応拡大していく方針です
前立腺癌につきましては、前立腺生検後、胸腹部CT、骨盤部MRI、骨シンチなど各種検査で、その広がりを調べ、手術療法、放射線療法、ホルモン療法などの治療法を説明後、手術希望であれば、適応を判断しながらダビンチによるロボット補助下腹腔鏡下前立腺全摘術(RALP)をメインに行います。放射線治療は、重粒子線治療希望であれば佐賀ハイマットを紹介、当院であれば強度変調放射線治療(IMRT)を施行しています。小線源療法希望であれば施行可能な施設紹介しています。ホルモン療法は外来で施行可能です。いずれにしても当院外来でその後の経過観察を行っております。
膀胱癌につきましては、CT、MRIなどを施行し転移や膀胱筋層浸潤がない腫瘍の場合、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を施行しています(約2週間前後の入院です)。筋層浸潤がある膀胱癌の場合、開腹手術として膀胱全摘+回腸導管造設術(尿管皮膚郎造設術のこともあり)を行っています。また術前術後の化学療法(GC療法、GCb療法)も施行しております。治療後は(当院で治療した場合でも他院で治療した場合でも)当科外来での5年間の定期的間経過観察を施行しています。
腎癌、腎盂尿管癌につきましては、当院での腹腔鏡下腎摘術(約2週間前後の入院)、腹腔鏡下腎尿管全摘術+膀胱部分切除術(約2週間の入院)を施行しています。腎癌であれば術後10年間、腎盂尿管癌であれば5年間の経過観察を当院外来で施行中です。
尿路結石につきましては、自然排石不能な尿管結石につきましてはDJステント留置を行い、脊椎麻酔下に経尿道的尿管結石砕石術(TUL)をピンハンマー式の砕石機(リソクラスト)を用い施行しています(約10日前後の入院です)。当院に未導入であったレーザー設備も導入予定であり、今後は当院で治療完結できるようしていきたいと思います。
尿路感染症につきましては、腎盂腎炎に対しては抗生剤点滴などの入院治療行っていますが、結石性腎盂腎炎(結石が尿管に嵌頓し腎盂腎炎となった)の場合、緊急でDJステント留置し、細菌感染のある腎盂尿を排泄するようにし抗生剤治療行います、DJ留置不能時はエコーガイド下に皮膚から直接腎臓の腎杯に針を刺し、カテーテルを入れる、経皮腎瘻を造設しています。腎盂腎炎治療後に、結石治療となります。
また前立腺検診や、PSA採血で、前立腺がんの可能性がある場合は、2泊3日の入院で局所麻酔下に経直腸的前立腺針生検を行っています。
 

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 26 10.35 7.38 0.00 73.12  
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 26 11.62 11.35 15.38 59.73  
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 14 16.64 13.75 21.43 77.57  
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 11 43.36 33.81 45.45 74.82  
050130xx9900x0 心不全 17.33  
慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群の方は、可能であれば入院下で腎生検による診断を行います。腎生検のみであれば入院期間は1週間程度になりますが、引き続き加療を行う場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド)を中心とした免疫抑制剤の投与が主流となりますので、1ヶ月以上の入院が必要となります。
慢性腎不全で入院となる方の内訳としては、腎不全の精査・教育目的、急性増悪の加療、ブラッドアクセス関連手術、血液透析導入、維持透析中の合併症加療などに分かれます。シャントトラブルで短期入院となる症例を除いては、2週間以上の入院加療になることが多いです。
 

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院
日数
(自院)
平均
在院
日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者
パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 18 5 3.58 33.33 53.44  
160980xx99x0xx 骨盤損傷 19.30  
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 25.29  
160980xx9710xx 骨盤損傷 21.11  
161020xxxxx00x 体温異常 6.53  
重症度が高い多臓器にまたがる重症患者さんや、どの診療科にも属さない患者さんへ対応すべく、救急科では各科と連携しつつ、HCU・ICUでの加療を行っており、さまざまな救急疾患に対応できる診療体制を整えています。
当科では、救急搬送後に入院となる比較的重症度の高い患者さんが多く、多い分類は外傷や感染症であり、DPCコ​ード別に見ると薬物中毒が上位となります。
DPCコードは、部位や処置、合併症で細分化されるため、様々な疾患を抱える当科では、統一されたDPCコードが出にくい傾向になります。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 59 20 41 14 1 7,8
大腸癌 40 18 31 73 22 1 7,8
乳癌 50 55 10 21 1 7,8
肺癌 53 23 110 235 29 79 1 7,8
肝癌 13 24 10 40 1 6,7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんは一般的に5大がんと呼ばれています。当院で初めて診断あるいは治療を受けた、いわゆる「初発」の患者さんの数を、 UICC 病期分類別と再発に分けて集計しています。UICC 病期分類とは、国際対がん連合によって定められた、(1)原発巣の大きさと進展度、(2)所属リンパ節への転移状況、(3)遠隔転移の有無の 3つのカテゴリによって各がんをI期(早期)からIV期の 4つの病期(ステージ)に分類したものです。2024年度に退院した患者さんを集計し、集計期間中に複数回入院された患者さんはそれぞれ集計をしています。「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、局所再発や遠隔転移をきたした場合を指します。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 36 8.50 52.64
中等症 131 13.75 77.11
重症 27 15.67 81.63
超重症 18 14.44 76.56
不明
市中肺炎とは、日常の社会生活の中でかかる肺炎で、院内肺炎や医療・介護関連肺炎と区別されます。成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて集計しています。ここではインフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や誤嚥性肺炎などは集計対象外です。中等症から重症の患者数が多く、重症度に従ってより高齢になっています。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 116 23.53 77.99 43.57
その他 24 16.33 72.25 5.00
一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳動脈の閉塞あるいは狭窄で脳梗塞に至らなかった症例において、平均在院日数は若干長いものの転院率は比較的低いのではないかと思われる。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

消化器科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 180 0.42 1.54 0.00 68.69  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 112 1.37 15.42 13.39 78.49  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 57 2.54 8.61 7.02 77.21  
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 43 0.40 2.40 0.00 65.81  
K654 内視鏡的消化管止血術 42 0.43 10.26 4.76 74.52  
消化器内科で最も多い手術・処置は、2cm未満の大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術です。内視鏡でポリープのある粘膜の下に液を注入し、スネア(輪状になった電気メス)を用いてポリープの切除(EMR)を行ったり、通電処置を伴わないコールドポリペクトミーを行います。
次に多いのが、胆石や総胆管癌などの胆道疾患、または膵頭部癌などの膵疾患によって閉塞した胆道に対して行う内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ECRP)によるドレナージ処置です。内視鏡的胆道ステント留置術は、内視鏡を用いて胆道にステント(プラスチックでできたチューブ状のものや金属製の筒状のもの)を留置することで胆汁の流れをよくする治療です。胆膵疾患の救急搬送患者や重症患者に対応し、胃の術後再建のため通常のERCPが行えない場合にはシングルバルーン ERCPによる処置も行っています。
3番目に多いのが総胆管結石そのものを十二指腸内に摘出するために行う内視鏡的乳頭切開術(EST)です。総胆管結石は急性膵炎や急性閉塞性化膿性胆管炎など、重篤な合併症を引き起こす原因となりますが、総胆管の出口である十二指腸乳頭を電気メスで切開することで内視鏡的に胆石除去が可能となります。
4番目に多い処置が2cm以上の大きなサイズの大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術です。サイズが大きいほど大腸がんを発症するリスクが高く切除できるメリットは大きいのですが、太い血管を有しているケースが多いため出血のリスクもまた高いのが特徴です。留置スネア(切除部位を縛るもの)や止血クリップなどの工夫で出血なく安全に処置を完了することが出来ています。
5番目に多いのが胃潰瘍や大腸の憩室出血など、消化管出血に対する内視鏡的止血術です。止血鉗子で通電し熱凝固で止血する方法や、クリップ止血、バンドで結紮する止血する方法などがあります。
 

循環器科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 78 2.85 3.00 0.00 73.53  
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 45 2.96 2.58 0.00 71.44  
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) 43 0.00 12.53 9.30 69.93  
K5973 ペースメーカー移植術(リードレスペースメーカー) 36 3.83 7.61 11.11 83.69  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 36 0.83 3.33 5.56 75.06  
狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療として薬剤溶出性ステント留置が主流ですが、薬剤塗布バルーンで拡張する治療も行っています。その際に、特殊な治療として石灰化が強い病変に対してはロータブレーターによる切削なども行います。徐脈性不整脈に対しては、ペースメーカー植え込み術を行います。1本または2本のリードを経静脈的に心房・心室に留置し、本体を胸部に埋め込む方法が主流ですが、状況によっては鼠径部の静脈から経カテーテル的にリードレスペースメーカーを留置することもあります。
心房細動や発作性上室頻拍等の不整脈に対して鼠径部の静脈から経カテーテル的に不整脈の原因となっている部位を焼灼して治療する治療も行います。
 

消化器外科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 66 1.20 5.32 1.52 66.64  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 60 1.30 4.52 0.00 70.92  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 25 4.76 15.68 4.00 71.56  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 24 2.63 7.63 0.00 64.75  
               
当院は2006年より胃癌、大腸癌に対する腹腔鏡手術を積極的に進めてきました。日本内視鏡外科学会技術認定医(胃癌)の1名のもと、癌の手術としての質を守りながら徐々に適応を拡大し、胃癌は早期~漿膜浸潤のない症例、大腸癌は巨大腫瘍を除いた殆どの症例を腹腔鏡手術の適応としています。良性疾患に対する腹腔鏡手術も積極的に進めており、鼠径ヘルニア、胆嚢摘出術および虫垂切除術は基本的に腹腔鏡での手術を第一選択としています。
 

脳神経外科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 25 0.12 12.84 20.00 81.32  
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 14 3.64 18.50 0.00 70.86  
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 11 6.09 18.36 0.00 75.91  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他)  
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭)(硬膜下)  
当院における脳神経外科手術症例は、慢性硬膜下血腫に対する手術が上位となっているが、脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術並びにコイル塞栓術、脳梗塞再発予防の頸動脈内膜剥離術やバイパス手術、脳動静脈奇形などの特殊な血管障害に対する手術、顔面痙攣や三叉神経痛、舌咽神経痛に対する神経血管減圧術、脳腫瘍、脊髄脊椎疾患と様々な疾患に対応している。
 

整形外科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 113 1.64 23.07 67.26 79.22  
K0821 人工関節置換術(膝) 72 4.32 26.50 12.50 75.33  
K0462 骨折観血的手術(下腿) 57 5.23 19.88 22.81 68.77  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 56 2.23 21.80 82.14 82.07  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 40 0.95 4.33 0.00 56.45  
整形外科では、骨折を中心とする外傷性疾患と、慢性疾患に対する人工関節手術の二つの柱で診療を行い年間800例を超える手術を毎年行っている。脊椎外科も受け入れ可能で安定した医療の提供が可能である。
 

呼吸器・乳腺外科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 26 2.92 10.96 0.00 72.35  
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 23 4.13 11.26 4.35 71.57  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 10 5.30 8.40 0.00 73.40  
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除))  
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)  
呼吸器・乳腺外科領域では、主に乳癌、肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸、縦隔腫瘍、および胸壁腫瘍に対する手術を行っています。内視鏡を併用した手術が全体の90%以上で採用され、可能な限り低侵襲な手術を目指しています。実際には手術中の不慮の出血の回避とその対応のため、6~8cmの小さな創を最初から作成し、2cmの内視鏡用の創との計2か所からの操作で安全性も確保しています。
原発性肺癌の手術は肺葉切除を行うのが基本ですが、当院では高齢者比率が高いため肺葉切除ができない患者さんには肺部分切除を行うことも多い状況です。
肺癌は手術前に縦隔リンパ節転移や胸壁に浸潤して局所進行癌の状況のこともありますが、呼吸器内科と連携して術前に放射線化学療法を行って肺葉切除を行うこともあります。
その他には、気胸に対する緊急対応からの手術から、心臓血管外科と連携した大血管切除/置換を伴った縦隔腫瘍の手術まで、多彩な手術を行っています。
肺葉切除後は7~10日での自宅退院が多く、手術後1か月以内の再入院はありません。
 

心臓血管外科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 22 3.82 10.45 9.09 80.27  
K617-2 大伏在静脈抜去術 17 0.00 1.06 0.00 69.88  
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 14 4.43 24.29 7.14 73.71  
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 14 0.00 1.00 0.00 65.64  
K5551 弁置換術(1弁) 13 6.00 20.54 0.00 72.77  
冠動脈バイパス術は、心拍動下冠動脈バイパス術を基本術式としており、状況により人工心肺を併用することで、高齢者や糖尿病合併患者に代表されるハイリスク症例に対しても良好な成績を挙げています。弁膜症に関しては、人工弁による弁置換術や、僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術、連合弁膜症に対する複数同時の弁置換術や形成術を積極的におこなっております。また、可能な限り心房細動に対する不整脈手術や左心耳閉鎖術を併施して、心機能の改善やQOLの向上を目指しています。大動脈疾患に関しては、全身状態の許す限り積極的な手術を行っていますが、ハイリスク症例に対してはステントグラフト内挿術を選択できるように、当院でも平成21年度より施設認定を取得しております。突然死の原因となる急性大動脈解離や大動脈瘤破裂例も多く、救命を目指して基本的には緊急手術で対応しております。下肢静脈瘤に対しては、侵襲の少ないレーザー治療や、グルー(接着剤)治療を導入しています。
 

産婦人科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K877 子宮全摘術 38 1.61 7.92 2.63 47.71  
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 27 0.81 4.30 0.00 51.74  
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 17 8.12 7.76 0.00 34.18  
K861 子宮内膜掻爬術 16 0.75 1.13 0.00 52.63  
K867 子宮頸部(腟部)切除術 12 0.92 2.50 0.00 44.75  
婦人科良性疾患は腹腔鏡下もしくは腹腔鏡補助下手術を中心に、症例に応じて開腹手術も選択している。
 

眼 科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 149 0.74 2.21 0.00 74.66  
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 25 0.92 4.40 0.00 69.72  
K224 翼状片手術(弁の移植を要する)  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)  
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入)  
当院では、白内障については片眼で2泊3日、両眼で4泊5日の短期入院での治療を行っています。病院の性格上、全身や眼局所に合併症を抱えた難治性の患者さんを多く治療しています。
網膜剥離、糖尿病網膜症の網膜疾患や黄斑円孔、黄斑前膜などの黄斑疾患には、硝子体手術が行われます。その際50歳以上の方には白内障手術も併施されることが一般的です。硝子体手術は全例低侵襲硝子体手術(MIVS)で行っています。
薬物治療によりコントロール困難となった緑内障についても手術が行われています。
また当院では重度の全身合併症がある方や認知症を有する患者さんなど(自制が困難な方)の眼科手術も行います。そのような方には全身麻酔下での手術を実施しています。
 

耳鼻咽喉科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 16 1.00 5.88 0.00 37.00  
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 11 0.09 0.00 0.00 6.55  
K368 扁桃周囲膿瘍切開術  
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)  
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)  
主な手術は口蓋扁桃摘出術となっていますが、真珠腫性中耳炎、甲状腺、副甲状腺腫瘍の手術等も行っています。
 

皮膚科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満) 14 0.00 1.43 0.00 63.71  
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 11 0.09 1.18 0.00 73.64  
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 10 0.00 5.50 0.00 82.80  
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満)  
K0021 デブリードマン(100cm2未満)  
良性腫瘍や悪性腫瘍に対し、切除、植皮などを行っています。
 

泌尿器科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 60 1.83 7.45 0.00 73.25  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 32 0.88 12.09 6.25 71.00  
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他) 15 1.73 4.87 0.00 63.27  
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 12 2.50 10.00 0.00 71.08  
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 12 1.83 9.42 0.00 73.08  
2024年度ダビンチが当院にも導入され、まずは前立腺手術より開始、徐々に適応拡大していく方針です
前立腺癌につきましては、手術希望であれば、ダビンチによるロボット補助下腹腔鏡下前立腺全摘術(RALP)をメインに行っていきます。
膀胱癌につきましては、CT、MRIなどを施行し転移や膀胱筋層浸潤がない腫瘍の場合、脊椎麻酔下に尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除する、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を施行しています(約2週間前後の入院です)。当院では特に病理診断が明確に判明する経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術(TURBO)を行うようにしています。
筋層浸潤がある膀胱癌の場合、開腹手術として膀胱全摘+回腸導管造設術(尿管皮膚郎造設術のこともあり)を行っていますが、腹腔鏡下膀胱全摘やロボット補助下膀胱全摘術(RARC)を希望される場合、施行可能な施設への紹介も行っています。(今後は当院でも導入検討します)
腎癌、腎盂尿管癌につきましては、当院での腹腔鏡下腎摘術(約2週間前後の入院)、腹腔鏡下腎尿管全摘術+膀胱部分切除術(約2週間の入院)を施行していますが、腎癌で腎部分切除可能と思われる場合は、ロボット補助下腎部分切除術(RAPN)可能な施設を紹介しています。(今後は当院でも導入検討します)
尿路結石につきましては、自然排石不能な尿管結石につきましては膀胱-腎盂をつなぐDJステント留置を行い、脊椎麻酔下に経尿道的尿管結石砕石術(TUL)をピンハンマー式の砕石機(リソクラスト)を用い施行しています(約10日前後の入院です)。レーザー砕石必要な場合は、現在レーザー砕石可能な施設へ紹介していますが、当院に未導入であったレーザー設備も導入予定であり、今後は当院で治療完結できるようしていきたいと思います。膀胱結石につきましては、脊椎麻酔下にリソクラストで砕石しています。
尿路感染症につきましては、腎盂腎炎に対しては抗生剤点滴などの入院治療行っていますが、結石性腎盂腎炎(結石が尿管に嵌頓し腎盂腎炎となった)の場合、緊急でDJステント留置し、細菌感染のある腎盂尿を排泄するようにし抗生剤治療行います、DJ留置不能時はエコーガイド下に皮膚から直接腎臓の腎杯に針を刺し、カテーテルを入れる、経皮腎瘻を造設しています。腎盂腎炎治療後に、結石治療となります。
 

腎臓内科

K
コード
名称 患者数 平均
術前
日数
平均
術後
日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 45 5.56 15.00 13.33 73.16  
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)  
K6072 血管結紮術(その他)  
K6121ロ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(静脈転位を伴う)  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)  
ブラッドアクセス関連手術(内シャント設置術、経皮的シャント拡張術・血栓除去術)は、血液透析を行う際に必要なシャントに関連する手術です。内シャント造設術は、上肢の静脈と動脈にそれぞれ数mm程度の開口部を作成し、静脈と動脈の開口部を細い糸で縫い合わせる手術です。それによって動脈の血液の一部が静脈に流入し、上肢の皮静脈が発達することで(内シャント)、動脈よりも穿刺しやすく、疼痛も少ないより透析に適した血管となります。抜糸まで2週間程度を要します。経皮的シャント拡張術は、シャントの一部が細くなったりして血液を十分に取り出せない状態となったときに、狭窄部に対してバルーンカテーテルを用いて拡張するものです。シャントの血流が消失してしまうと、血液の塊(血栓)ができて透析ができなくなるため、その血栓を取り除く処置が必要となることもあります(血栓除去術)。処置が成功すれば、日帰り、もしくは短期入院となります。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 27 0.30
異なる 16 0.18
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 44 0.50
異なる
播種性血管内凝固症候群は敗血症等重篤な感染症その他で合併する病態です。敗血症は腎盂腎炎や肺炎等感染巣の原因となる疾患がはっきりとしている場合と、入院当初からは感染巣がはっきりせず、敗血症として重篤な病態で入院する場合があります。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、
肺血栓塞栓症の予防対策が
実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
926 835 90.17
肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部静脈血管内にできた血栓(深部静脈血栓症)がはがれ、血流により肺動脈で閉塞を起こす疾患で、肺の血流が途絶して死に至ることもあります。深部静脈血栓症や肺塞栓発症予防対策は重要です。予防法として、弾性ストッキング着用や観血的空気圧迫装置の使用、抗凝固療法があります。当院では、予防法実施率は90%であり、患者さんに合わせた予防法を実施しています。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
3,008 2,506 83.00
血液培養検査では、検査精度を高めるために原則として2セット以上(=合計2本:好気ボトル 2本、嫌気ボトル2本)の検体採取が必要です。血液培養は1セットのみだと菌血症の約30%を見逃すと言われており、2セット採取が基本となっています。当院の血液培養2セット実施率は83%と高率ではあるも、検出精度を高めるために、実施率のさらなる増加を目指しています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降
抗菌薬処方日までの間に
細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
718 589 82.03
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になります。当院においても抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)による、抗菌薬適正使用を推進しています。抗菌薬適正使用のためには正確な微生物学的診断が必要であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。当院の細菌培養実施率は82%と増加傾向にあります。

転倒・転落発生率

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
88,163 147 1.67

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

退院患者の在院日数の
総和もしくは
入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落による
インシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1,391 1,382 99.35

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)
以上の褥瘡)の
発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)
以上の褥瘡発生率
86,961 37 0.04

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
4,740 4,722 99.62

身体的拘束の実施率

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
88,163 13,224 15.00

更新履歴

2025年9月30日 令和6年度版 病院指標を公開しました。