令和元年度病院情報このページを印刷する - 令和元年度病院情報

令和元年度病院情報(DPCデータによる病院指標)

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1023 184 137 246 312 707 1663 2239 1740 490

令和元年度の入院患者年齢分布を示します。10歳以下が約12%、60-69歳が約20%、70から79歳が約25%、80~89歳が約20%で60歳以上の入院がが約65%を占めています。10歳以下の小児を除くと60歳以上が約8割を占めていて、地域の高齢化率の上昇を反映しています。この様な傾向は今後も続いていくものと考えられます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍(肺生検) 160 4.14 3.34 1.25 74.99  
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 45 24.40 18.84 11.11 76.20  
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍(化学療法) 43 14.40 9.59 2.33 72.56  
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 30 2.00 2.03 0.00 60.90  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 29 15.24 14.62 31.03 78.21  

当科で最も多いのは肺悪性腫瘍の検査入院だが、主として気管支鏡による検査を行っており、全国の平均在院日数と比較して約半日長くなっている。次に多い疾患は間質性肺炎の患者である。肺悪性腫瘍(肺癌)の化学療法による入院件数が次に続いている。
 

総合診療科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 31 15.90 20.84 35.48 87.58  
050130xx99000x 心不全 25 13.20 17.71 8.00 86.88  
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 25 19.12 19.29 20.00 74.68  
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 20 12.85 12.58 25.00 72.85  
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 16 13.19 15.17 6.25 88.63  

総合診療科では、誤嚥性肺炎や尿路感染症、慢性心不全の増悪といった、コモン・ディジーズの入院診療を主に行っています。
重症敗血症で、人工呼吸器や人工透析などの全身管理を要する症例、また不明熱に代表される、病態がはっきりせず原因不明の症候に対する入院精査なども行っています。  
 

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 301 2.97 2.63 0.00 67.14  
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 84 10.43 9.79 9.52 78.71  
060390xxxxx0xx 細菌性腸炎 44 7.91 7.38 2.27 57.77  
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 42 8.95 8.27 0.00 74.79  
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 34 11.32 10.25 0.00 74.00  

消化器内科で最も多い診断群分類は大腸ポリープです。前がん状態であるケースが多いため、内視鏡でスネア(輪状になった電気メス)を用いてポリープを切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行います。
次に多い分類が、総胆管結石、胆のう結石などの胆道疾患です。内視鏡を用いて胆道の出口を切開し胆管内の胆石を除去する治療や、胆道にチューブを留置し胆汁の流れを改善する治療を行っています。経皮的にチューブを胆管内に留置して減圧を行う場合もあります。
次に多い分類が腸炎です。病原菌の腸管感染により、下痢や嘔吐、腹痛などの症状を呈します。脱水に対する点滴や、必要があれば整腸剤、抗菌薬などの投与も行います。
4番目は胃がんです。癌の粘膜下に生理食塩水などを注入し、切開ナイフで病変を剥離除去する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います。切除不能進行例や再発例に対して、化学療法も行っています。
5番目は、肝細胞がん、肝内胆管がん、転移性肝腫瘍など肝臓にできる悪性腫瘍です。カテーテルという管を用いて腫瘍を栄養する血管を詰める経カテーテル肝動脈化学塞栓療法(TACE)、あるいは電気で病変を焼灼するラジオ波焼灼療法(RFA)を行っています。
 

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル法による諸検査) 227 3.03 3.01 0.00 69.31  
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患(手術あり) 156 5.26 4.40 0.00 70.94  
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患(心臓カテーテル法による諸検査+血管内超音波検査等) 123 3.11 3.15 0.00 70.30  
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 64 13.84 12.37 7.81 69.38  
050210xx97000x 徐脈性不整脈 63 11.65 10.80 6.35 79.84  

循環器疾患治療の多くは、狭心症・心筋梗塞など虚血性心疾患です。 心臓の表面にある冠動脈が動脈硬化で狭小化したり、血栓閉塞したりすることが原因であり、冠動脈CTや冠動脈造影検査にて診断を行います。
狭心症などの安定した虚血性心疾患の入院期間は、検査入院は3日、カテーテル治療入院は4日です。
急性心筋梗塞などの場合、急性期治療とその後の栄養指導・服薬指導・心臓リハビリテーションを行うため、1~2週間ほどの入院期間となります。
徐脈性不整脈でのペースメーカー植え込み術、交換術での入院期間は7日としています。
心不全に関しては、急性期から慢性期までの治療に時間を要し、栄養指導・服薬指導・心臓リハビリテーションなどを行い、入院院期間は平均で約2週間ほどとなっています。
 

神経内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満 エダラボンあり) 37 20.49 16.13 24.32 70.97  
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 18 24.28 16.16 33.33 74.11  
010160xx99x10x パーキンソン病 16 18.88 19.79 18.75 77.00  
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 15 10.13 6.22 0.00 73.73  
010230xx99x00x てんかん 14 11.86 7.10 28.57 62.64  

神経内科では、急性疾患として主に虚血性脳血管障害(脳梗塞および一過性脳虚血発作)とてんかんの治療を行っている。 脳梗塞に対してはt-PA治療(血栓を溶解する薬を点滴投与する)を行っており、血管内治療については県内の医療施設に紹介する形で連携している。また、てんかんにおいては画像検査及び脳波検査を行って診断し、抗けいれん薬を用いて治療を行っている。慢性疾患としてはパーキンソン病などの変性疾患や認知症を対象としており、各種検査を行って診断をつけながら治療方針を検討している。当科ではチーム医療体制のもとグループ回診を毎日実施し、早期リハビリテーションを通じて、早期退院やリハビリテーション病院への早期転院を図っている。他分野の疾患とは異なり、治りにくい・わかりづらい病気が多い一方で、少しでも患者様に希望を与えられる様、日々努めている。
 

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術なし・処置なし) 40 14.15 11.67 10.00 74.28  
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術あり・人工腎臓あり) 23 44.61 36.04 26.09 75.61  
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術あり・人工腎臓なし) 14 16.93 8.48 0.00 71.93  
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術なし・人工腎臓あり) 12 22.17 14.23 16.67 68.83  
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全(手術なし・針生検あり) 12 11.83 7.00 0.00 49.33  

慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群の患者様は、可能であれば入院にて腎生検を行い確定診断を行います。腎生検のみであれば入院期間は1週間程度になりますが、引き続き加療を行う場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド)を中心とした免疫抑制剤の投与が主流となりますので、1ヶ月以上の入院が必要となります。
 慢性腎不全で入院となる患者様の内訳としては、腎不全の精査・教育目的、急性増悪の加療、ブラッドアクセス関連手術、血液透析導入、維持透析中の合併症加療などに分かれます。シャントトラブルで短期入院となる症例を除いては、2週間以上の入院加療になることが多いです。
 

救急科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 15 3.87 3.52 26.67 52.07  
               
               
               
               

重症度が高い多臓器にまたがる重症患者さんや、どの診療科にも属さない患者さんへ対応すべく、救急科では各科と連携しつつ、救命救急センター、ICUでの加療を行っており、さまざまな救急疾患に対応できる診療体制を整えています。
当科では、救急搬送後に入院となる比較的重症度の高い患者さんが多く、多い分類は外傷や感染症であり、DPCコ​ード別に見ると薬物中毒が上位となります。
DPCコードは、部位や処置、合併症で細分化されるため、様々な疾患を抱える当科では、統一されたDPCコードが出にくい傾向になります。  
 

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 63 9.33 4.85 3.17 72.13  
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍(化学療法あり) 28 4.64 4.40 0.00 65.79  
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 27 9.63 7.13 0.00 65.81  
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍(手術あり) 21 17.95 15.02 0.00 66.71  
060020xx02x00x 胃の悪性腫瘍(手術あり) 18 18.67 16.12 0.00 73.56  

当院は高齢の患者さんが多いこともあり、鼠径ヘルニアの患者さんが比較的多く受診されます。2013年より腹腔鏡での手術を標準術式として導入しており、疼痛が軽度であるため術後3日程度で退院されています。胆嚢炎・胆嚢ポリープの手術は急患症例も含めて腹腔鏡での手術を基本とし、2019年度は60例中55例(91.7%)を腹腔鏡下に施行しました。悪性腫瘍に対する治療に関しては、進行直腸癌および高度進行胃癌に対して症例に応じて術前化学療法を併用しての根治的手術を行っています。日本内視鏡外科学会技術認定医(胃癌)の1名のもと、胃癌は早期~漿膜浸潤のない症例を、大腸癌は巨大腫瘍を除いた殆どの症例を腹腔鏡手術の適応としています。2019年度の腹腔鏡手術の占める割合は、胃癌が79.2%(24例中19例)、大腸癌が90.9%(77例中70例)でした。術前治療による微小転移の制御および腹腔鏡による低侵襲手術を行うことで、癌の再発抑制および患者さんの早期の回復を目指した治療を心掛けています。

 

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍(手術あり) 34 14.94 11.51 2.94 68.18  
               
               
               
               

呼吸器外科領域では、主に肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸、縦隔腫瘍、および胸壁腫瘍に対する手術を行っています。内視鏡を併用した手術が全体の90%以上で採用され、可能な限り低侵襲な手術を目指しています。実際には手術中の不慮の出血の回避とその対応のため、6~8cmの小さな創を最初から作成し、2cmの内視鏡用の創との計2か所からの操作で安全性も確保しています。
原発性肺癌の手術は肺葉切除を行うのが基本ですが、当院では高齢者比率が高いため肺葉切除ができない患者さんには肺部分切除を行うことも多い状況です。
肺癌は手術前に縦隔リンパ節転移や胸壁に浸潤して局所進行癌の状況のこともありますが、呼吸器内科と連携して術前に放射線化学療法を行って肺葉切除を行うこともあります。
その他には、気胸に対する緊急対応からの手術から、心臓血管外科と連携した大血管切除/置換を伴った縦隔腫瘍の手術まで、多彩な手術を行っています。
肺葉切除後は7~10日での自宅退院が多く、手術後1か月以内の再入院はありません。
 

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 135 26.03 25.94 77.78 82.83  
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 75 34.48 23.56 10.67 76.03  
160760xx97xxxx 前腕の骨折 69 9.57 5.54 7.25 60.43  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 52 22.40 19.40 48.08 78.48  
070343xx97x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 31 25.06 19.86 6.45 71.71  
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 31 37.26 21.53 16.13 72.61  

整形外科では、骨折を中心とする外傷性疾患と、慢性疾患に対する人工関節手術の二つの柱で診療を行い年間900例ほどの手術を毎年行っている。現在脊椎外科も受け入れ可能で安定した医療の提供が可能となった。
現在整形外科医は7人のスタッフでお互い協力しながら、チーム医療を重点に安全で安心な充実した医療体制を築くことを目標としている。特に、麻酔科と連携した外傷に対する早期手術は疼痛管理の面で優れ患者様に有益な医療が可能となっている。また救急センターの整備により、整形外科領域の救急医療の充実を図り地域貢献を行うことを推進している。
慢性疾患に目を向けると人工関節術の安定した成績と、患者様に満足していただける結果の出せる治療を目指している。特に当院の特徴である関節リウマチの症例に対しては、近年生物学的製剤の進歩で周術期の管理が緻密になっているが、西九州地区の中核病院として責任が果たせるように努力している。手脊椎患者も手術可能な体制が整い、適切に対応できる状態になっている。
我々は、各々が自己研鑽を積みながら、医療の質を保ち、患者に対しやさしく愛情を持って治療を行いたいと思っている。  
 

リウマチ内科/糖尿病・内分泌内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 18 22.17 14.10 5.56 66.06  
070470xx99x0xx 関節リウマチ 10 10.10 16.09 0.00 74.10  
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 10 19.90 15.48 0.00 64.60  
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 10 16.60 13.72 0.00 55.30  
               

糖尿病・内分泌内科では、地域の医療機関との連携を図り糖尿病における血糖コントロールや合併症の予防において佐賀県南部医療圏の糖尿病診療の中核機関として力を入れている。佐賀県糖尿病対策としての「ストップ糖尿病」対策事業においても、その役割を担っている。また、糖尿病性ケトアシドーシスや重症低血糖症などの緊急かつ重篤な急性合併症にも対応している。
 

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 51 2.27 2.78 0.00 68.41  
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 23 23.22 11.75 13.04 79.43  
050080xx0100xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 19 28.42 20.93 26.32 74.42  
050050xx0100xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 17 24.41 19.81 23.53 66.94  
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤 15 27.20 27.88 26.67 65.33  

当科における診療体制の特徴は、虚血性心疾患、弁膜症、大動脈瘤に加えて、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤、慢性腎不全患者の内シャント作成術など多岐にわたる血管疾患を対象としている点である。
冠動脈バイパス術においては、心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)を基本術式としており、高齢者に代表されるハイリスク症例に対しても良好な成績を挙げている。また、大伏在静脈の採取においては、内視鏡下に行うことで低侵襲化に努めている。弁膜症に関しては、僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術を積極的に行い、可能な限り心房細動に対するメイズ手術を併施して、心機能の改善やQOLの向上を目指している。大動脈疾患に関しては、全身状態の許す限り積極的な手術を行っている。急性大動脈解離や動脈瘤破裂例が多く、半数以上が緊急手術となっている。ハイリスク症例に対するステントグラフト内挿術も年間20例程度行っているが、佐賀大学、東京女子医大と提携して開窓型ステントを多用して低侵襲化に努めている。また、下肢静脈瘤に対するレーザー焼灼療法も平成28年より開始している。
 

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 226 5.29 6.19 0.88 1.32  
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 111 1.01 2.15 0.00 2.80  
040100xxxxx00x 喘息 82 5.17 6.64 0.00 3.28  
030270xxxxxxxx 上気道炎 73 4.81 4.94 1.37 1.99  
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 66 7.56 6.17 1.52 0.00  

当院は佐賀県の小児救急拠点病院・地域周産期医療施設に指定されており、小児の一般的な疾患(喘息、急性気管支炎・肺炎・上気道炎、急性腸炎)の救急受診対応を行っており、5階西病棟ではそれらの疾患の入院医療を小児科チームとして行っている。
またアレルギー学会専門医・指導医をもつ小児科医が在籍しており、食物アレルギーに対して入院での食物負荷試験など専門的対応を行っている。新生児治療室において、35週以上の早期産児、低出生体重児の治療を行っている。
 

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 30 23.53 18.81 63.33 69.93  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(手術なし) 25 11.48 7.34 32.00 62.80  
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷(手術あり) 20 12.10 9.67 5.00 70.25  
               
               

脳神経外科では、頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍といったさまざまな脳神経疾患を診療している。
その多くが、一刻を争う緊急の対応や高度な診断・治療技術を要求されるものである。今年度の当院脳神経外科では非外傷性頭蓋内血腫(脳出血)症例が一番多く入院している。
 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 105 3.47 2.49 0.00 71.64  
110070xx0200xx 膀胱腫瘍(手術あり) 51 14.69 7.07 1.96 77.25  
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 18 16.83 8.52 0.00 75.06  
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 13 9.92 5.61 0.00 61.77  
110070xx99x20x 膀胱腫瘍(手術なし・化学療法あり) 12 15.25 10.65 0.00 71.92  

当科では、膀胱悪性腫瘍で経尿道的手術を施行する症例が最も多く、次に上部尿路結石を中心に上部尿路疾患の件数が多く、さらに急性腎盂腎炎等の尿路感染症の入院件数が多くなっている。
 

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 27 12.44 9.71 0.00 49.85  
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 24 6.25 4.39 0.00 60.50  
120260xx01xxxx 分娩の異常 24 12.50 9.53 0.00 31.75  
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 19 7.68 6.21 0.00 45.32  
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 19 21.63 19.06 0.00 32.95  

当科は産科一般と、婦人科では良性疾患を多く扱っている。産科は基本35週以降の分娩となる症例を扱っている。母体適応や胎児適応等で35週未満で分娩となりそうな症例は、基本的に搬送させて頂いている。婦人科良性疾患は腹腔鏡下もしくは腹腔鏡補助下手術を中心に、症例に応じて開腹手術も選択している。
 

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患(両眼手術) 126 5.06 5.09 0.79 75.78  
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患(片眼手術) 84 3.15 2.78 0.00 73.11  
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 19 6.47 6.71 0.00 67.89  
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 13 6.08 7.29 0.00 62.92  
               

当科で最も多い症例は、白内障手術である。次いで、黄斑疾患・網膜剥離となっている。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 51 - 20 52 15 - 1 6,7,8
大腸癌 27 17 41 66 12 24 1 7,8
乳癌 27 34 32 - - 22 1 7,8
肺癌 60 - 53 106 15 83 1 6,7,8
肝癌 - 12 10 - - 64 1 7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんは一般的に5大がんと呼ばれています。当院で初めて診断あるいは治療を受けた、いわゆる「初発」の患者さんの数を、 UICC 病期分類別と再発に分けて集計しています。UICC 病期分類とは、国際対がん連合によって定められた、(1)原発巣の大きさと進展度、(2)所属リンパ節への転移状況、(3)遠隔転移の有無の 3つのカテゴリによって各がんをI期(早期)からIV期の 4つの病期(ステージ)に分類したものです。2019年度に退院した患者さんを集計し、集計期間中に複数回入院された患者さんはそれぞれ集計をしています。「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、局所再発や遠隔転移をきたした場合を指します。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 44 11.14 56.73
中等症 157 14.78 80.04
重症 29 22.38 84.03
超重症 - - -
不明 - - -

市中肺炎とは、日常の社会生活の中でかかる肺炎で、院内肺炎や医療・介護関連肺炎と区別されます。成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて集計しています。ここではインフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や誤嚥性肺炎などは集計対象外です。中等症から重症の患者数が多く、重症度に従ってより高齢になっています。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 140 27.02 76.59 35.76
その他 25 22.60 75.36 6.06

一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳動脈の閉塞あるいは狭窄で脳梗塞に至らなかった症例において、平均在院日数は若干長いものの転院率は比較的低いのではないかと思われる。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 316 0.56 1.51 0.32 67.90  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 56 0.96 12.21 7.14 79.89  
K654 内視鏡的消化管止血術 54 1.83 12.57 14.81 72.59  
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 42 1.02 6.93 0.00 74.79  
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 34 2.26 8.50 0.00 74.09  

消化器内科で最も多い手術・処置は、大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)です。前がん状態であるケースが多いため、内視鏡でスネア(輪状になった電気メス)を用いてポリープを切除します。
2番目に多いのは、胆道や膵の腫瘍による胆管狭窄や総胆管結石に対して内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)下に行うステント留置術です。胆道にステントを留置することで胆汁の流れを改善し、黄疸や肝障害、感染症の治療となります。胃の術後再建で通常のERCPが行えない場合には小腸バルーン内視鏡による処置も行っています。
3番目は内視鏡的消化管止血術です。胃潰瘍や大腸憩室出血、食道静脈瘤破裂などの出血部位に対して、内視鏡的に止血クリップや高周波凝固、軟性ループ(ゴムバンドのような結紮処置具)を用いて止血を行います。
4番目に多いのは、早期の胃がんに対して行う内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。癌の粘膜下に生理食塩水などを注入し、切開ナイフを用いて内視鏡下に病変を剥離除去します。
5番目の血管塞栓術(TACE)は主に肝細胞がんに対する治療です。足の付け根から細い管(カテーテル)を挿入し、がんを栄養する血管(肝動脈)を塞栓するもので、抗がん剤とゼラチンやビーズなどの詰め物を注入することで血流を止め、がんを虚血状態にして死滅させます。
 

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 111 2.09 2.58 0.90 70.98  
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 52 0.02 13.21 9.62 68.98  
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 35 2.63 10.31 11.43 79.49  
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 28 1.96 2.93 0.00 66.64  
K597-2 ペースメーカー交換術 23 1.04 6.83 8.70 83.39  

狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療として薬剤溶出性ステント留置が主流です。その際に、特殊な治療として石灰化が強い病変に対してはロータブレーターによる切削なども行います。
徐脈性不整脈に対してペースメーカー植え込み術を行います。1本または2本のリードを経静脈的に心房・心室に留置し、本体を胸部に埋め込む方法が主流ですが、状況によっては鼠径部の静脈から経カテーテル的にリードレスペースメーカーを留置することもあります。
心房細動や発作性上室頻拍等の不整脈に対して鼠径部の静脈から経カテテール的に不整脈の原因となっている部位を心筋焼灼して治療することもできます。
 

腎臓内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 51 7.75 21.31 17.65 74.63  
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 14 1.93 4.93 0.00 72.57  
               
               
               

ブラッドアクセス関連手術(内シャント設置術、経皮的シャント拡張術・血栓除去術)は、血液透析を行う際に必要なシャントに関連する手術です。
内シャント造設術は、上肢の静脈と動脈にそれぞれ数mm程度の開口部を作成し、静脈と動脈の開口部を細い糸で縫い合わせる手術です。それによって動脈の血液の一部が静脈に流入し、上肢の皮静脈が発達することで(内シャント)、動脈よりも穿刺しやすく、疼痛も少ないより透析に適した血管となります。抜糸まで2週間程度を要します。
経皮的シャント拡張術は、シャントの一部が細くなったりして血液を十分に取り出せない状態となったときに、狭窄部をバルーンカテーテルを用いて拡張するものです。シャントの血流が消失してしまうと、血液の塊(血栓)ができて透析ができなくなるため、その血栓を取り除く処置が必要となることもあります(血栓除去術)。処置が成功すれば、日帰り、もしくは短期入院となります。
 

消化器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 51 2.16 5.47 1.96 71.25  
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 39 3.51 6.95 2.56 65.05  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 33 3.70 24.00 12.12 67.03  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 17 0.59 5.94 0.00 27.59  
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 14 4.21 15.36 0.00 73.21  

当院は2006年より胃癌、大腸癌に対する腹腔鏡手術を積極的に進めてきました。日本内視鏡外科学会技術認定医(胃癌)の1名のもと、癌の手術としての質を守りながら徐々に適応を拡大し、胃癌は早期~漿膜浸潤のない症例、大腸癌は巨大腫瘍を除いた殆どの症例を腹腔鏡手術の適応としています。2019年度は腹腔鏡手術の占める割合は、胃癌が79.2%(24例中19例)、大腸癌が90.9%(77例中70例)でした。良性疾患に対する腹腔鏡手術も積極的に進めており、鼠径ヘルニア、胆嚢摘出術および虫垂切除術は基本的に腹腔鏡での手術を第一選択としています。虫垂炎に関しては臍部創のみの単孔式手術を採用しており整容面にも配慮しています。2019年度は急性虫垂炎は38例、ヘルニア手術は81例、胆嚢手術は60例で、虫垂炎は97.4%、胆嚢は91.7%、ヘルニアは65.4%を腹腔鏡下に行いました。
 

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 19 4.00 9.95 5.26 66.37  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 12 5.08 8.58 0.00 72.92  
               
               
               

呼吸器外科領域では、主に肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸、縦隔腫瘍、および胸壁腫瘍に対する手術を行っています。内視鏡を併用した手術が全体の90%以上で採用され、可能な限り低侵襲な手術を目指しています。実際には手術中の不慮の出血の回避とその対応のため、6~8cmの小さな創を最初から作成し、2cmの内視鏡用の創との計2か所からの操作で安全性も確保しています。
原発性肺癌の手術は肺葉切除を行うのが基本ですが、当院では高齢者比率が高いため肺葉切除ができない患者さんには肺部分切除を行うことも多い状況です。
肺癌は手術前に縦隔リンパ節転移や胸壁に浸潤して局所進行癌の状況のこともありますが、呼吸器内科と連携して術前に放射線化学療法を行って肺葉切除を行うこともあります。
その他には、気胸に対する緊急対応からの手術から、心臓血管外科と連携した大血管切除/置換を伴った縦隔腫瘍の手術まで、多彩な手術を行っています。
肺葉切除後は7~10日での自宅退院が多く、手術後1か月以内の再入院はありません。
 

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 117 4.12 31.64 11.97 74.76  
K0461 骨折観血的手術(大腿) 103 1.27 25.78 66.02 80.27  
K0811 人工骨頭挿入術(股) 51 1.90 22.82 84.31 80.80  
K0462 骨折観血的手術(下腿) 41 2.98 19.76 21.95 63.49  
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 39 1.00 5.95 0.00 62.54  

整形外科では、骨折を中心とする外傷性疾患と、慢性疾患に対する人工関節手術の二つの柱で診療を行い年間900例ほどの手術を毎年行っている。現在脊椎外科も受け入れ可能で安定した医療の提供が可能となった。
現在整形外科医は7人のスタッフでお互い協力しながら、チーム医療を重点に安全で安心な充実した医療体制を築くことを目標としている。特に、麻酔科と連携した外傷に対する早期手術は疼痛管理の面で優れ患者様に有益な医療が可能となった。また救急センターの整備により、整形外科領域の救急医療の充実を図り地域貢献を行うことを推進している。
慢性疾患に目を向けると人工関節術の安定した成績と、患者様に満足していただける結果の出せる治療を目指している。特に当院の特徴である関節リウマチの症例に対しては、近年生物学的製剤の進歩で周術期の管理が緻密になっているが、西九州地区の中核病院として責任が果たせるように努力している。手脊椎患者も手術可能な体制が整い、適切に対応できる状態にある。
我々は、各々が自己研鑽を積みながら、医療の質を保ち、患者に対しやさしく愛情を持って治療を行いたいと思っている。
 

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 34 0.00 1.12 0.00 67.12  
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 19 6.05 17.00 10.53 79.63  
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 17 6.47 22.29 35.29 68.24  
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) 17 5.76 19.41 11.76 70.76  
K5551 弁置換術(1弁) 16 7.81 29.00 25.00 71.63  

平成30年の心臓血管外科で多い手術は、下肢静脈瘤、大動脈疾患(大動脈解離、動脈瘤など)などである。
 

小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7151 腸重積症整復術(非観血的) 16 0.13 3.56 0.00 2.81  
               
               
               
               

腸重積は小児の急性腹症の中で迅速に対処しなければならない疾患である。
当院では、24時間体制で小児疾患に小児科医が対応しているが、腸重積に対しても、放射線科・消化器内科・消化器外科の医師と連絡を取りながら、対応・整復を行っている。
 

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 21 2.62 14.00 23.81 79.05  
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 11 4.55 32.09 54.55 69.73  
               
               
               

当院における脳神経外科手術症例は、慢性硬膜下血腫に対する手術、脳動脈瘤のクリッピング手術が上位となっているが、脳梗塞再発予防の頸動脈内膜剥離術やバイパス手術、脳動静脈奇形などの特殊な血管障害に対する手術、顔面痙攣や三叉神経痛、舌咽神経痛に対する神経血管減圧術、脳腫瘍、脊髄脊椎疾患と様々な疾患に対応している。
 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 53 3.36 10.57 1.89 77.26  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 22 1.91 16.77 18.18 76.91  
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 16 2.00 14.38 0.00 74.88  
K7812 経尿道的尿路結石除去術(その他) 14 3.57 9.36 0.00 62.86  
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 12 2.25 16.25 0.00 73.75  

当科では、経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が最も多く、経尿道的尿管ステント留置術、経尿道的尿路結石除去術(その他) 、膀胱結石摘出術(経尿道的手術)の順に多くなっている。開腹手術は少なく、経尿道的あるいは腹腔鏡下の手術が主体となっている。
 

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 43 2.70 10.47 2.33 53.65  
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 31 5.71 9.68 0.00 31.74  
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 24 1.21 5.42 0.00 45.96  
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 17 14.47 10.47 0.00 32.82  
K861 子宮内膜掻爬術 14 0.00 1.00 0.00 60.93  

婦人科良性疾患は腹腔鏡下もしくは腹腔鏡補助下手術を中心に、症例に応じて開腹手術も選択している。
 

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 206 0.84 2.44 0.49 74.70  
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 37 0.81 5.78 0.00 67.46  
               
               
               

白内障手術は通常、局所麻酔で短時間で安全に手術が可能である。ただし、認知症等手術での協力が得られない可能性が高い患者様の場合、安全性の観点から全身麻酔で対応する場合もある。高齢者が多いので全身の合併症をもつ患者様も多いが、かかりつけ医、あるいは、当院、循環器内科を始めとする内科医師や麻酔科医の協力を得ながら手術の判断を行っている。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 12 0.14
180010 敗血症 同一 31 0.35
異なる 17 0.19
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 46 0.53
異なる - -

播種性血管内凝固症候群は敗血症等重篤な感染症その他で合併する病態です。敗血症は腎盂腎炎や肺炎等感染巣の原因となる疾患がはっきりとしている場合と、入院当初からは感染巣がはっきりせず、敗血症として重篤な病態で入院する場合があります。

更新履歴

2020年9月30日 令和元年度版 病院指標を公開しました。