小児科このページを印刷する - 小児科

研修医の修練方針

小児プライマリケア研修プログラムに沿った研修ができるよう指導します。

小児への適切な対応

接し方、診察、検査、投薬、処置が適切にできるようになります。

コモンディジーズへの初期対応

発熱、腹痛、下痢、脱水、けいれんなど一般外来にも時間外急患センターにも多数の受診者がいますので迅速、適切に対応できるようになります。

小児保健に対する理解と対応

新生児、乳児の健診や育児支援を行っています。医療保険制度や事故防止について理解を深めることは重要です。病身連携やこどものアドボカシーについて学ぶ機会が多くあります。

新生児医療

極小早産児には対応していませんが、異常分娩や帝王切開に全例立会います。新生児の蘇生からNICU管理まで小児科医として十分な知識と技術を習得できます。

当院小児科の特徴

佐賀県南西部の小児医療の拠点で、年間の外来患者はのべ1万2千人以上、入院患者は800人以上です。医療連携を推進しており紹介されて当科を受診する患者は年間に600例以上です。

1次医療から3次医療まで、新生児から青年期まで幅広くこどもたちをみています。
疾患の種類も豊富で感染症、循環器、神経など小児科医療の研修には十分の症例が集まってきますから能率よく小児科研修が行えます。
比較的高度な専門的な治療を行っています。佐賀大学、長崎大学と連携して「腎」、「神経」、「循環器」専門外来を設定しています。
週7日の内、5日当直で2日オンコール制のもと、24時間対応の診療体制です。 当直やオンコール担当医師は当直明けには朝から休みを取ります。

小児科研修プログラムの目標および特徴

当院の研修プログラムは厚生労働省の示した臨床研修の到達目標を参考にして、嬉野医療センター小児科が作成したプログラムである。

1年目の初期研修必修科目である内科、外科、救急科(麻酔)を終了した医師が、小児科臨床について理解を深め、将来小児科を標榜しない場合も適切な時期及び方法で専門医に紹介できることを目標として作成したものである。

当院の特徴は佐賀県西南部で唯一の24時間オンコールで小児科医が対応可能な総合病院であり、当院小児科に年間約900~1,000名が入院する内の半数近くは時間外入院である。

このため当科で研修することにより多くの小児科1次2次救急医療に携わる事ができ、現在社会問題となっている夜間小児救急医療の最前線に直面し、小児初期救急医療について理解を深め臨床経験を積めることである。

小児科研修における一般目標

小児科臨床特に小児の時間外1次診療やプライマリーケアについて理解を深め、将来小児科を標榜しない場合においても適切な時期及び方法で専門医に紹介できることを目標とする。

小児科研修における行動目標

患者一医師関係

患者を全人的に理解し、病児・家族(母親)と良好な人間関係を確立するために、
  1. 患児、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。
  2. 医師、病児・家族(母親)がともに納得できる医療を行うためのインフォームドコンセントが実施できる。
  3. 守秘義務を果たし、病児のプライバシーへの配慮ができる。


チーム医療

医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと協調するために、
  1. 指導医や専門医(特に小児科医)に適切なタイミングでコンサルテーションができる。
  2. 上司および同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。
  3. 同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。
  4. 患児の転入・転出にあたり、地域開業医を始め他の医療関係者と情報を交換できる。

問題対応能力

患者の問題を把握し、問題対応型の思考を行い、生涯にわたる自己学習の習慣を身につけるために、多岐にわたる小児科領域での臨床上の疑問点を解決する中で情報を収集して評価し、当該患者への適応を判断できる。
 

安全管理

小児科特有の安全管理について方策を身につけ、危機管理に参加するために、
  1. 小児科特有の処置等の医療行為上での安全確認の考え方を理解し、実施できる。
  2. 特に小児特有の医療事故防止及び事故後の対処について、マニュアルなどに沿って行動できる。
  3. 院内感染対策特に小児科特有の感染症について理解し、実践できる。

医療面接

患者・家族との信頼関係を構築し、診断・治療に必要な情報が得られるような医療面接を実施するために、
  1. 種々の発達段階における小児に対する医療面接でのコミュニケーシヨンの意義を理解し、コミュニケーションスキルを身につけ、小児科患児の心理状態を把握できる。
  2. 保護者とりわけ母親を中心とした、適切かつ迅速な病歴の聴取と記録ができる。
  3. インフォームドコンセントの元に、患児だけでなく保護者にも適切な指示、指導ができる。

症例呈示

チーム医療の実践と自己の臨床能力向上に不可欠な、症例の呈示と意見交換を行うために、小児科特有の出生歴を含めた症例呈示と討論ができる
 

診療計画

保健・医療・福祉の各側面に配慮しつつ、診療計画を作成し、評価するために、
  1. 小児科疾患における診療計画を指導医の元で作成できる。
  2. 小児科疾患の診療ガイドラインやクリニカルパスを理解し活用できる。
  3. 小児特有の病態、生理、社会状況をふまえた上で、指導医のもと入退院の適応を判断できる。

医療の社会性

医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献するために、
  1. 学校保険法をはじめとした小児の保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。
  2. 乳幼児医療公費負担制度や小児慢性特定疾患等の、小児の医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる。
  3. 成人のような訴えができない小児における、医の倫理、生命倫理について理解し、適切に行動できる。