脳神経外科このページを印刷する - 脳神経外科

研修医の修練方針

<診断学>

神経学的検査所見を適切にカルテに記載できる
頭部CT、MRI検査、SPECT、脳血管撮影検査などの検査所見を読める
 

<入院患者の対応>

頭部外傷の初期対応、外傷のABCDE
脳卒中患者の診断と初期治療
脳腫瘍の画像診断と治療計画
脊髄疾患の診断と治療計画
三叉神経痛、顔面痙攣の診断と手術適応
 

<手技>

腰椎穿刺
頭部・顔面挫傷の縫合処置
卓上型顕微鏡を用いてのマイクロ手術手技の練習
人工血管、手羽先の血管を用いて実際に顕微鏡下に縫合実習
 

<手術>

執刀医として以下の手術ができる
慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術
脳室外ドレナージ術
脳室-腹腔短絡術

プログラム概要

1.一般目標(GIO)

脳神経疾患は、内科系、外科系に渡り一般臨床医として仕事に携わるうえでその基本的な知識は必須である。当科では、3ヶ月の間に中枢神経系のとくに外科的救急疾患と、脳血管障害における急性期治療および脳卒中予防を目的とした外科治療を中心に、病態の理解と診断および適切な処置が身につくことを最低限の目標とする。

2.行動目標(SBO)

1)救急医療現場における中枢神経系疾患の病態の把握と初期診断

  1. 意識障害患者の的確な診断、処置が可能となる
    • 意識レベルを正しく判定する。(Japan Coma Scale, Glasgow Coma Scale)
    • 家族、付き添い者からの適確な病歴の聴取を行う。
    • 意識障害患者の基本的な神経学的所見をとる。
    • 意識障害の原因を早急かつ正確に判定する。
    • 二次的に意識障害を来す疾患又は病態と、中枢神経系由来の意識障害とを 鑑別する。
    上記と平行して気道確保、静脈確保、バイタルサインのチェック、 モニタリングの装着などをスムーズに行う。
  2. 基本的な神経学的診断が可能となる
    • 頭蓋内圧亢進症状
    • 脳ヘルニア徴候
    • 髄膜刺激症状
    • 各種脳神経麻痺
    • 錐体路症状
    • 小脳症状
  3. 基本的な神経放射線学的所見の読影が可能となる
    • 頭蓋頚椎単純撮影
    • CT スキャン/3D-CTA
    • MRI/MRA
    • 脳血管撮影
 

2)脳神経外科的疾患の病態とそれに対する診断、治療、処置を理解する

  1. 頭蓋内圧亢進
    頭蓋内圧構成要素 原因分類
    脳灌流圧の概念 血圧/PaCO2/PaO2の影響 治療方法
  2. 脳ヘルニア
    分類 神経症状 バイタルサインの変化
  3. くも膜下出血
    原因 神経症状 診断 治療 脳血管攣縮 正常圧水頭症
  4. 脳内出血
    原因 神経症状 診断 鑑別診断 治療
  5. 脳血管奇形
    分類 神経症状 診断 治療
  6. 虚血脳疾患(脳梗塞)
    原因 分類 神経症状 診断 鑑別診断 治療
  7. 頭部外傷
    分類 神経症状 診断 治療 多発外傷
  8. 脳腫瘍
    一般的知識
  9. 脊髄脊椎疾患
    原因 分類 神経症状 診断 鑑別診断 治療
  10. 痙攣・てんかん
 

3)基本的な検査手技を修得する

  1. 脳血管撮影
    動脈直接穿刺によるDSAを用いた脳血管撮影(6 vessel study)
  2. 腰椎穿刺/髄液検査
    動脈直接穿刺によるDSAを用いた脳血管撮影(6 vessel study)
 

4)穿頭による各種手術手技を修得する

  • 慢性硬膜下血腫洗浄除去術
  • 脳室ドレナ-ジ術
 

5)脳神経外科における薬物治療の基本的知識を修得する

  1. 頭蓋内圧下降作用のある薬物
    • 浸透圧利尿剤
    • ステロイドホルモン
    • 静脈麻酔剤
    • その他
  2. 血圧の調節
    • カルシウム拮抗剤
    • カテコールアミン製剤
    • その他
  3. その他の薬剤
    • 鎮静剤、H2ブロッカー etc
 

6)脳神経外科患者の療養・社会復帰についての知識を得る

  1. 頭蓋内圧下降作用のある薬物
    1. 看護
    2. リハビリテーション
    3. 社会的援助/介護

3.週間スケジュール

  7:30~ 8:00~  
回診 脳カンファ (午前/午後 急患手術)
回診 脳カンファ (午前 外来/午後 急患手術)
回診 脳カンファ (午前/午後 定期手術)
回診 脳ジャーナルクラブ (午前 外来/午後 急患手術)
回診 脳カンファ (午前/午後 急患手術)
(回診/急患手術)
(回診/急患手術)